照明考/「YOKO」

 どうも、67期3年代スタッフの弁象庵と申します
 今回の本公演では照明トップ(いろいろまとめる人)をします
 実はスタッフブログ初めてだったりするので温かい目で見てやってください
 サムネイルになるのは四角い光の中でブレる私です↓

???照明???

 さて、照明ってなんだろか?
 一旦基本にかえると、光を当てる、ただそれだけのことです
 そして、ただそれだけなので、なんと無限の表現ができてしまうのですね…
 (写真が下手でごめんなさい、あと当時レンズがすっごく雲ってた)
 この写真はたしか目白庭園です
 木や葉に対して下から光をあてると当然ながら反射光の多くは下にいきます
 これによって、木の下の道を通る見物客は植物が反射する光をきらりと感じられますし、このように遠くからみた時には水面にしっかりと像が映り込んでくれるのです
 またこれは光の範囲を絞ってあてているので、見事に美しい葉の色だけを際立たせることができています
 この写真は先程とは逆に、街灯のような拡散した光が上からあたっています
 周りまで一緒に明るいことで、周りの不在が印象づけられ、カートに孤独さを感じるような気がします
 (まず何の写真なんだろうか)


 どちらも対象を際立たせるという点では同じなのに、アプローチが真逆なんですね~


 もう一度、照明ってなんだろか?
 光を調整してどう見えるかを決める仕事なのではないでしょうか(やっぱり当然のことになっちゃった)
 光を調整といっても、質感、色、明るさ、眩しさ、方向、などなど要素はたくさんあります
 そしてどう見えるかを考える上では、見えないものも大切なのです!

 とんでもない沼ですこれは
(よければ「舞台照明 機材」とか「舞台照明 フィルター」とかで検索してみてください、沼の入口です)

???何するん???

 さて、ここからはプランナーとオペレーターの本番に至る流れを紹介します

○照明プランナー

「明かりをどうするか」に責任を持つ人です
照明における第2の演出家のような立ち回り

①明かり・タイミングをイメージ

 まず台本や稽古見をもとに、明かりのデザイン・変化の
タイミングを考えます
 演出家と話してシーンのイメージを共有し、それも反映しながら進めます、稽古が進めば演技エリアもイメージも変わるので、臨機応変に考えていくところです

②機材を予想・手配

 ①で想像した照明プランを実現するために必要なライト・ケーブル・カラーフィルター・電源などなどの機材を予想して整理します
 木霊では基本的な機材を自分たちで管理していますが、特殊な機材や数が足りないものはレンタルします
 ①でも言ったけどプランは直前までより良いものを追いかけるので、機材の準備も期間や数に余裕を持ってやります

③仕込み・パッチ・シュート

 いよいよ本番が近づくと、機材を天井などにセッティングし、電源を取り…などといった「仕込み」をやります
 脚立に乗ったりケーブルを着けたり、色々と"職人感"がでてなんかかっこいいとか思っちゃう時間
 「パッチ」「シュート」は機材が思い通りに光るための設定作業をやる時間、という説明でざっくりと
 気になった人は調べてみてください、この時間もかっこいいです

④場当たり・ゲネ

 役者・音響・映像などと合わせて本番の動きを擦り合わせます
 プランナーとオペレーターとがよくコミュニケーションを取ることが大事

⑤本番

 オペレーターの手さばきを見守ります、本番中プランナーはじっとしてます



○照明オペレーター

「明かりを動かすこと」に責任を持つ人です
本番中実際に照明を担うのはこの役割で、私はオペレーターもまた1人の役者(に近似する存在)だと思います

①プランの把握

 プランナーが考えた照明プラン=シーン・タイミングなどを把握し、台本に書き留めます

②場当たり・ゲネ

 プランナーとよく話しながら、操作の精度をあげていきます

③本番

 難しいのは、毎公演操作のベストな形は違ってくるということ!役者の台詞の言い方やそれまでに築かれた空気などによって操作を変えた方が美しい、ということが多いです
 「どう動かすか」というテクニックではなく、「どう見せたいか」という意図をしっかり共通認識で持っておくのがとても大切です

 映像での照明について

 昨年2月以降劇団木霊はお客様を迎えての公演は行わず、収録や生配信を通して作品を届けてきました。
 光の質感が、色が、付き消しの調子が、輪郭の佇まいが、全てが、肉眼と映像とでは全く別物。
 照明でギラと光る汗、哀しみを湛える筋肉の震え、名乗りを上げた奥歯の影、衣装の裾が掴んだ空気、果たして映像でどれだけ伝わっているのか。
 どんな戯曲にどんな演出を付けても演劇が捨て難かった、いま・ここの現前を一度手放して、私達は作品をつくっている。あのハッとする熱を、画面を越えてというよりは画面関係なく一緒に感じられたらいいよなー、と思いながら、試行錯誤しています。難しい、難しい、難しい。

 さて、とても長くなってしまったけど、「YOKO」は以上のことたちの結晶として、お届けできたらなと思います

 ぜひともあなたの目で、確かめてください!


劇団木霊2021年本公演
『YOKO』

主宰 | 目黒ほのか
演出 | ユリアヤ
脚本 | マツモトタクロウ
日時 | 2021年 5月21日(金)~24日(月)
料金 | フリーカンパ制
観劇方法 | 収録映像公開
ご予約 | 弁象庵扱い
https://ticket.corich.jp/apply/111442/003/

出演 | 大石水月 
          岸香保里 
          富樫萌々香 
          細谷天歩 
          ユリアヤ
演出部 | スミタシオン 内藤響子 弁象庵 麗乃 
舞台監督 | 菅原茉利奈
舞台監督補佐 | 橘美海 藤枝拓磨
舞台美術 | 星りこ
舞台美術補佐 | 内山泰輝 河合咲良 清水雄大 髙橋陸生 田中香穂 藤枝拓磨
音響 | 公©
音響操作 | 波多野比奈
音響補佐 | 飯田櫻子 前田朱音 立念法師
照明 | 弁象庵
照明操作 | 麗乃
照明補佐 | 内山泰輝 鏡原すず 清水雄大 深見莉子 福島未悠 幸
映像 | 目黒ほのか
映像オペ | 立念法師
映像配信 | 目黒ほのか
衣装 | 久保友理亜
衣装補佐 | 笹田伶 下野はな 橘美海 目黒ほのか
制作 | にいづま久実
制作補佐 | 樹田ひなた 重村眞輝
宣伝美術 | 深見莉子
宣伝美術補佐 | 久保友理亜 スミタシオン
WEB | 飯田櫻子
WEB補佐 | 鏡原すず
撮影 | 深見莉子

劇団木霊

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