衣装/『職業的天使の祈り』

スタッフブログ!本日は衣装です。

2022年度本公演『職業的天使の祈り』で衣装トップをつとめます68期星りこです。

衣装についてお話ししていけたらと思います。

🚀衣装のお仕事🚀

①プラン

〜まず、プランアップします〜

はじめに、演出家のオーダーを受けます。このオーダーは演出家によって異なり、要素や印象や年代、国など、さまざまです。そして自分で脚本を読んで受けた印象などを併せて言語化したり視覚化したりしていきます。視覚化のためにはもっぱらPinterest漁りです。私は公演用にフォルダを作るのですが、そこにイメージ画像をぶち込んでいきます。あとは映画とかその他からインスピレーションを受けていきます。
それを経て自分の中でこんな感じ!を定めていきます。その「こんな感じ!」を演出家とお互いに伝達しあい、デザインとして具現化していきます。これが衣装プランです。プランアップというのは、プランを確定させることです。

②持ち寄り募集、買い出し、製作

〜プランをもとに、実物を集めます〜

劇団員から募集したり、買い出しに出かけたり、ネットを探したり、作ったり。
とにかく足を使います。劇団員からの持ち寄りが、それほどないときは放浪の旅にでます。
高円寺、新宿、渋谷、下北沢、原宿、町田、その他ショッピングモールのある駅に降り立ち、服を見てまわります。古着屋も新品屋も見ます。ネットも見ます。
ここで、プランアップをしっかりすることの重要性を知ります。プランアップの時点で演出家とイメージ共有をしっかりしておかないと、実地でポカンになってしまうということです。

③衣装合わせ

〜着てもらいます〜

役者さんに衣装を着てもらいます。かき集め
た衣装たちが纏われているのは、嬉しいです。役者さんたちは着こなしてしまうので、素晴らしいです。

④手直し

〜微調整〜

ちょっとイメージと違ったりしたら、買い足し・縫い縫いします。

⑤本番週

〜役者さんを見送ります〜

これから舞台上に行く役者さんの髪やメイク、衣装を整えます。楽屋にオレンジの電灯が付きます。わたしはまだほとんど体験したことないのですが、特別感のある時間です。本番後、汗がついたり汚れた衣装は洗濯します。

🚀服はふくざつ🚀


ここまで書きましたが、
実は私が衣装班に配属されるのは2020年度新人公演以来二度目です。ここまでズラズラ書いたのに、トーシロなのでした。自分が新人だった時の記憶を頼りに、同期の衣装班の人、そして補佐の方々にたくさんたくさん助けてもらい、なんとか(多分)漕ぎ着けました。自分ひとりでは何もできないこと、改めて確認します。


普段は舞台美術をしています。
舞台美術と衣装、どちらも触覚・視覚的に世界を作る役割を担っている点で、ジャンルとしては似ている感じがします。でも今回衣装をしてみてやはり違うなぁと思いました。まず、衣装は人間の形に合わせて作られたものです。例えば舞台美術なら、こういうものが欲しい!と思ったら、頭の中のイメージを直接目の前にのせることができます。ペンキを使ったり、その他の素材を使ったりして、苦労はしますががんばれます。本当は、衣装もそのくらい絵の具を乗せるようにデザインできるのかもしれませんが、それでも衣装の場合他の文脈や意味合いが絡まってくる繊細さが舞台美術とは段違いです。人間の身体に合わせて複雑な形をした服を組み合わせてデザインします。ただ色を乗せればいいというのではなくて、人間の身体の形を考えながら組み合わせるのです。形が与える印象とか素材が与える印象とかによって、人物像がダイレクトに形作られもします。難しい...。


妹が服好きなので、
今回は妹にたくさん質問しました。この服にはこれを合わせるといい、とかこの服だとこういう印象になる、とか、答えてくれるのでとても勉強になります。妹以外の方にもたくさんお世話になりました。服の写真とかモデルさんの写真とかを見るのは大好きなのですが、私は今まで何を見ていたのだろうと思います。服オンチです。


アバター好き


🚀一生衣装🚀


衣装班は、
経験が薄いしわからないことだらけですが、服には昔から少し関心があります。中学生のころ、英語劇の衣装を担当しました。地元のヴィンテージな古着屋さんも好きでした。でもいつからか、服がよくわからないものになりました。服は先ほども書いた通り複雑なものなので、服を選ぶのがとても難しいことだと気付きました。その日着た服が気持ちに合わないと一日悲しくなったりします。わたしは、演劇(的なもの)をはじめたきっかけは衣装でした。自分の身体に、自分ではない人として自分のためでない服を着ることはとても重要なことです。



無の服を発明して、
それを着たいと思っています。自分の持っている身体と服の相乗効果で、貼りついた沢山の意味合いも抵抗感も無になるような服が欲しいなぁと思います。無...
でも例えば逆に、圧倒的にプラスにすることで無にすることもできます。過剰さに過剰さを重ねたら無になるかもしれない。私にダッシュ(‘)をつけることで、着られない服を着るか、私のままどういう形かの方法で無の服を着るか、あるいは...。現実的なのはダッシュ(‘)をつける方かなぁと思っています。つまり、役を纏ったり役のことを考えたりすることです。役としてなら、またほかの人演じる役のためなら試着室も楽しいです。


今回服屋さんを訪れる中、
店員さんとお話ししました。服の知識が深い方がたくさんお話ししてくださり、脳がギシギシいってしまいました。歴史や文脈を込めた深い服の世界に生きている人たちが豊かでした。



服を考えるということは、
人間のことを今までとは違う角度からえるということにつながりますよね。服はもっと深い、もっと繊細で複雑、恐れることなくやっていきたいです。

とはいえ服の決め手は触感派!



劇団木霊2022年本公演
『職業的天使の祈り』
作・演出 | 峯川遼子
日時 | 5月26日(木)~29日(日)
5月26日 17:00-
5月27日 17:00-
5月28日 12:00-/17:00-
5月29日 12:00-/17:00-
予約 |
(星りこ扱い)
※新型コロナウィルス感染症対策として、ご予約時に緊急連絡先のご入力をお願いします。
※上記の理由からご予約はおひとり様ずつ受け付けています。
料金 |
無料(フリーカンパ制)
公演形態 |
有観客公演@早稲田大学大隈講堂裏劇団木霊アトリエ
記録映像公開 |
5月30日(月)~6月30日(木)
※記録映像の視聴へのご予約は不要です。
※公開される映像は記録用となります。そのため劇場と見え方が大きく異なる場合がございます。
ぜひ有観客公演にご予約ください。
役者 |
大石水月 きよすけ 橘美海 富樫萌々香 春名高歩 幸
スタッフ |
演出補佐 | 鏡原すず 北川はる [劇団森]  髙橋幸寛 藤枝拓磨 ホシダマサオミ
舞台監督 | 立山亜佑
舞台監督補佐 | スミタシオン 藤枝拓磨 
舞台美術 | 薄田千夏
舞台美術補佐 | 臣
音響 | 近藤侑羽 
音響補佐 | 公©
音響操作 | 近藤侑羽
照明 | 麗乃
照明補佐 | 中村仁 [しらすの夕立ち] 臣
照明吊り込み | こう良 由利綾
照明操作 | 木下みのり
配信 | 峯川遼子
衣装 | 星りこ
衣装補佐 | コウシロウオヤマ [劇団森] 
制作 | 樹田ひなた
制作補佐 | 園部綾香 にいづま久実
宣伝美術 | 園部綾香
宣伝美術補佐 | 大石水月 亀川ふみか
Web | 鏡原すず
Web 補佐 | 園部綾香
撮影 | 笠羽流雨 [倒藝家] 髙橋幸寛

劇団木霊

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